篠山3 田んぼ
一会庵さんは田んぼに囲まれたところにありました。
お蕎麦を食べた後、付近を散策しながら初夏の薄日に輝いている田んぼの水面を見下ろしていました。
私はいつもそうなんですが、稲が植えられる前の水を張った田んぼや、また稲が植えられたすぐ後の、蛙の居そうなそこを見ると、あの柔らかそうな泥の感触がどんなものか、是非一度、この太い足で感じてみたいと、妙な憧れを抱いてしまうのです。
労働の厳しさなぞ知らぬくせに、こんな勝手な憧れをもつのはどうかと思いますが、やはり死ぬまでには一度体験しておきたい、と思ってしまうのです。
しばらく佇んでいたら、通りかかったお婆さんが 「こんにちは」 と気さくに声をかけてくれました。
「こんにちは」と挨拶を返した私は、しっかりした足取りで土手の急斜面を田んぼに下りて行くお婆さんの姿を興味深く見つめていました。
そして、ケツまでスカートをまくって、ついに念願を果たしました。
by hiruu | 2007-06-04 00:34 | 日記