田舎風景の中へ。
今日は母の体調が良さそうだったので車に乗せてちょっとそこまでドライブしてみようと思った。うまくいけば買い物ぐらいできそうな感じ。
家から車で15分、宅地造成がまだまだ進む西神戸の新興住宅地。しかしそこを抜けると突然開ける農村地帯。このギャップにはいつものことだがギョエ!とする。
イチゴ狩りには数日早いかな~と思いながら農道を走っていると、目前になんとかトマト”と書かれた小さい看板があった。
え?どこどこ?どこでトマト売ってんの?と民家の私道と思えるところを勝手に入っていくと、1件のお家の中に赤い色がチラと見えた。収穫されたトマトを箱詰め作業している家だった。
車を止めて、
あのー、ここでトマト買えますか?と聞くと、無愛想なおっちゃん達が
“ああいいよ”と。
中に入っていくと、トマトは傷まないように畳の上に並べられ、丁寧に取り扱われていた。
あのー、一箱もいらないんですが。3個か4個でいいんですが。と言うと、
“ああいいよ”と。
1キロ400円で売ってもらった。7,8個あったと思う。スーパーで買うよりも安いし、こんなところで買うのもめづらしいことで、おっちゃん達はみんな無愛想だったが、普段見られない作業風景も見れたことだし、母も喜んでくれたので来てよかったと思った。
帰り道、『イチゴ一箱250円』の看板を見つけた。
あ、あそこでイチゴ売ってるみたい~!といいながら後ろに車がひっついていたので急に止まることもできずに行過ぎてしまった。
そこで能力発揮の愛車アトレー♪どんなとこでも入っていける。狭い道でもUターン。後方視界性抜群、バックなんてススイノスイ!この先行き止まり”でも平気のへっちゃらピー。
しかし中央分離帯を乗り越えることだけは不可能なので、また変な横道に入り込んで畑の裏側にまわった。
あのー、イチゴ欲しいんですけど。さっきと違い愛想のいいおっちゃんが、
“苺狩りもしとるで~”
いやー、あんまし食べられないので、一パックもって帰りたいんです。
“それじゃ摘んであげるからしばらく待ってて”
あー、んじゃ私もいっしょに摘むー、摘みたい、摘むの手伝います!
ということで、苺狩りをさせてもらっちゃった♪
足元がぬかるんでなさそうな場所を選んで母に5,6個摘ませ、私はサンダルを履いたままぬかるみの中をざぶざぶ入って行った(途中でサンダルを脱いで素足で泥の感触を楽しんだ)。
時間がもう夕方近くになっていたので大きい苺は少なくなっていたが、それでもおっちゃんといっしょに4パック分摘んだ。
私が苺を摘んでいる間、おっちゃんの奥さんかお母さんかわからない愛想のいいおばちゃんが、たまねぎを抜いてもいいよと母に言ってくれたらしく、玉ねぎ抜きまでさせてもらっていた。
大きな玉ねぎが4個100円で、8個抜かせてもらい、おまけに3個くれた。苺もサービスして余分に入れてもらいルンルンの母。
それに、
“ちょっと待っとき。その足じゃあまりにも”
と、おっちゃんが長いホースを引っ張ってきてくれて、私の足を洗ってくれた。(いえ、もちろん自分で洗いましたがね。水を掛けてくださったのです。)
何度も礼を言って車に乗ろうとすると、おばちゃんがほうれん草を一束抜いて持ってきてくれた。
いつでもおいでと。いつ来ても必ず何かあるからと。
私は、たぶん来れないだろうと思いながらも、来年も、また来ますね。
ほんと、とてもいい思いをさせて頂きました。明るい陽射しの中、日焼けしたおっちゃんの笑顔と緑内障で目がほとんど見えず、おまけに腎臓透析までして畑を生き甲斐にしているおばちゃんの笑顔。印象にのこるお二人でした。
人に感謝、畑に感謝、自然の恵みに感謝、の一日。
もう感動で涙がでそうでした。
なのに、なのに、後で聞いたら、私の母は、畑でしゃがみこんで苺を食っていたと。5つ程こっそり食ったと。
“あのねー!イチゴ狩りは一人なんぼの料金なの。パック詰めの苺がもう売れちゃってなかったから、いっしょに摘ませてもらっただけなの!”
知らずに食ってしまったのならまだしも、知っててこっそり食ったとなると、ああ、なんと罰当たりなこと。
さらに、わたしの母は、ティッシュに3個包んで手に握っておりました、、、とさ。
by hiruu | 2005-05-08 23:39 | 日記