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歩きにくいのよ大阪。

今日は、人と会う約束があったので、大阪梅田のスカイビルまで行ってきました。
スカイビルといえば、あの空中庭園で有名な高層タワーです。阪急電車に乗って窓外を見ると、たしか西宮を過ぎたあたりから灰色の空を背景に大規模なH型の建物が目に入ってきます。


しかし私はとっても方向音痴なので、いかに目立つ建物とはいえ、迷わずたどり着けるかどうかかなり心配でした。
前日にWeb友達から 「スカイビルは ‘地下道’ を通って行けば良い」 と聞いていたので、おおそうやった、そうやった、あのややっこしい大阪は、地上に出たらあかんのや、たとえ目的の建物が目の前に見えとったとしても、道は広いし陸橋ないし、おまけにややっこしいで、なかなか行かれへんのや、と昔々の苦い経験を思い出すことができたのです。


ここで昔々の経験談を少し。
学校を卒業したばかりの私は、たいした就職活動もしないでいました。というのは、学校の近くに学生登録所、みたいなところがあり、そこで得意なこととか持っている資格とかを記入して出しておくと、それを見た会社側から直接連絡が入る、という便利な機関があったためでした。
当時は今みたいな不景気でなかったので、結構名前の知れた会社から電話がかかってきたものでした。

電話は何件かあったのですが、その中の1件にそこそこ大手の住建会社があり、私の就職先は絶対ここだ!と阪急電車に乗ってルンルンで面接に出かけたのでした。会社は駅からはっきりと見えていました。でも先ほど書きましたように、道は広いし陸橋ないで、大幅な遅刻を余儀なくされ、結局希望はかないませんでした。
後でわかったことですが、駅から会社の地階に続く専用連絡通路があって、そこを通ればあっという間に到着することができたのでした。

ちなみにその当時の私の持っていた資格は 「珠算・3級」 です。



ということで、‘地下街’を通った方が迷わないし、時間的にも早く行ける、という教訓を思い出したわけです。そこで、今日は改札を出たら地上に出ずに地下街を行く、と決めました。

このとき私の頭の中にあったのは阪急梅田駅の地下街であって、今日私が乗ったのはJRです。さらに、頭上の標識を確認しつつ、きらびやかな百貨店のウィンドウや洒落た飲食店を左右に見ながら颯爽と歩く自分の姿がありました。
そして、あの有名なスカイビルのことだから、建物の地階に通じる道があるはずだ、と確信している私自信がいました。

電車を降りると、頭の中のイメージと雰囲気が違っていることに気が付きました。そこはごく普通のJRのホームでした。

阪急電鉄なら、電車を降りると横方向にずらっと様々な路線が並んでいて、そこに多くの電車が停まっているのが見えるんです。ここで 「そうだ、私はJRに乗ったのだ!」 と確認することができました。

JR大阪駅ホームには改札へと下りる階段がいくつかあるようでした。そして、あんまし端っこの階段を下りるととんでもない出口へでちゃうんじゃないかと不安になり、中央出口へと続く階段を探して下りました。

普通なら階段を下りたところに改札があっていいものだと思うのですが、ありません。
少し迷いましたが、そこが別の路線へ乗り換えるための連絡通路であることがわかりました。そしてさらに階段を下りてなんとか改札を抜けることができました。

さっそく頭上を見たのですが、何の案内標識もありません。‘スカイビル方面’とはどこにも書いてありません。上品なご婦人がいたので道を尋ねてみましたが、どう説明したらいいのか迷ったふうで、とりあえずどっちの方向かということだけ教えてもらいました。
次に、携帯を片手に持ってたむろしていたお姉ちゃんに尋ねてみましたが、やはりどう説明したらいいか困った顔で、方向だけ教えてもらいました。
次に、キオスクの売り子さんに尋ねてみました。そしたら、

「ここから外に出て横断歩道を渡り、そのまま真っ直ぐ行けば ‘道’ に通じます」と。

おかしいな?外に出なきゃいけないの?と思いましたが、言われた通りに地上に出ました。
横断歩道は少し右手の方向と、もう少し離れた左手の方向とに2つありました。
H型の高層タワーは私の左手側寄りに見えていたので迷わず左方向へ行きかけましたが、こっちの横断歩道を渡ったところでそのまま真っ直ぐ行ける道はなく、道がただ延々と左方向へ続いているのに気づき、そこで駅関係者の人らしい制服を来たお兄さんにまた道を尋ねました。

「こっちじゃなくってあっちの横断歩道を渡って、ヨドバシカメラのところから行った方がわかりやすいですよ」

ああ、ヨドバシカメラね。あそこから行くのか、と来た道を戻り、ヨドバシカメラの建物の地下に地下名店街みたいなのがあって、そこから繋がっているのかなと思ったのですが、どうも変。そこでヨドバシカメラの駐車場のお兄さんにまた尋ねてみました。

「ここを真っ直ぐ行ったらすぐ ‘地下道’ がありますよ」

道を尋ねるのもこれで5人目です。このときの私は、やけに素直になっていました。そして、お兄さんの言葉に従って、とっても素直に真っ直ぐ歩きました。
そうしたら、自転車置き場の管理所みたいな小さな建物に突き当たってしまいました。
歩きにくいのよ大阪。

この小さな建物をよけて真っ直ぐ行ったとしても、狭い路地のような道が続いているばかりです。しかも目指すH型タワーは左手に見えます。しかし左方向にはだだっぴろい空き地があって、しかも工事中で黒黄のバーまで渡してあります。そして私の立っているすぐ右横は、深く道が落ち込んでいて、幅の狭い川が流れているようです。

川?川の中を人?人がたくさん歩いてる?

不思議に思ったとたん、急な階段があるのに気づき、下りてみるとそこがWeb友の言ってた ‘地下道’ でした。

‘地下街’じゃなくって ‘地下道’ です。

ああ、最後まで‘地下’にこだわってて良かったと思いました。もしWeb友の言葉がなければ、私は前方の狭い路地を入っていってとんでもないところへ行ってしまっていたか、黒黄のバーを乗り越えて工事現場へ突入していたことでしょう。友人には感謝です。


薄暗く長いチューブのような地下道を抜けると、綺麗な高層ビルが眼前に登場しました。ホットしたのもつかの間、その形がH型でないのに気づき、また不安になりました。
よっぽどもう一度人に尋ねてみようかと思ったのですが、H型も正面から見るとH型で、横からみるとI型だということに気づきました。

なんとか無事到着することができましたが、情けないです。

by hiruu | 2006-01-19 02:26 | 日記