東北の旅7~羽越本線小砂川駅まで

鶴岡駅で電車に乗るとき、ドアがいつまで待っても開かないので不思議に思っていると、自分でボタンを押してドアを開くのだそうで、隣にいた女子高生がそうして乗ったので私も同じようにボタンを押して乗りました。

そして、乗ったら乗ったでまたボタンを押してドアを閉めなければいけない。そんなこととはちっとも知らず、どっかと座っていたら、向かい側に座っていた女子高生がついと立ってドアを閉めてくれました。

「すみません」と言おうとしたら‘めんちきられた’のでやめました。高校生は関西も東北も同じです。


高校生ばかりが大勢乗っているわりに、みんな疲れているのか車内はけっこう静かで、どこかしら空気がよどんでいるようでした。私も早朝から歩き回っていたのでさすがに疲れを感じぼんやりしていると、電車が動き出しました。

海側を背にして座っていたのですが、右前方に月山、左前方に鳥海と、2つの山の対峙する姿が目に入りました。西日をうけて少しオレンジ色になった山が、それでも夕方の空を背景にして輪郭はおぼろで、空と山の区分は細い線でしか判らずどこまでも一体化していきそうでした。
これがあの小説に描かれていた『生と死の対峙』かと、そんなことを考えてほげーとしていると写真を撮るのを忘れました。


この日、夕方からの目的は羽越本線に乗って行けるところまで行くこと。日本海を見ること。そしてうまくいけば日本海に沈む夕日が見れるかも、と考えていました。
酒田の旅館には19時頃到着の予定でしたから、あんまりゆっくりはできないのです。といって仮にゆっくりできたとしても、下車駅によっては戻りの電車が翌朝までない場合もあり、行って折り返してちょうど良いのです。私は電車に乗って車窓風景を眺めるのが好きなので、それで満足なのです。


計画段階では象潟まで行けるかと考えたのですが、戻りが遅くなりそうなので×。
だったら酒田から一番近い吹浦はどうだ。吹浦で下りるのならせっかくなので十六羅漢に行きたい。でも十六羅漢から吹浦駅までは歩いて1時間以上かかるらしく、「無理無理」とバスの中でおしゃべりしたおじさんが言っていたのであきらめる。
女鹿はどうだ、ここの駅舎は無人で、、、戻りの電車がない!(女鹿駅は、朝7時台に2本、夕方2本しか電車が停まりません。もろ通学用)。

結局、小砂川という駅で下車することにしました。小砂川駅は駅舎から海が近く、日本海を一目みて走って戻れば酒田行きの電車に間に合うだろうと思ったからです。戻りの電車までたった15分しかないのですが。



吹浦を過ぎた当たりからだんだん暗くなり、小砂川到着時には日没完了。まっ暗な中を下って狭い国道を渡ると海が見れそうでした。

そこは低い崖の上で、真下に暗い海水が波を打っていて、両脇にゴツゴツした黒い岩場が迫っていました。そして私の立っているすぐ横に人の家の玄関がありました。
なんやら人の家の敷地みたいだな、と思いましたが暗かったのでよくわかりません。

本当に海見たか?と問われれば、辺りはもう真っ暗だったのでどうかわからないのですが、『我逝くもののごとく』森敦 著 に描かれていたあの風景だ!と一瞬にして思ったので、もしかしたらイメージトレーニングで認識していたのかもしれません。

電車が来る直前に撮った小砂川駅舎です。思ったとおり真っ黒けだったので明るさ調整して載せてます。
b0032167_3524651.jpg


つづく~酒田
[PR]

by hiruu | 2010-04-09 03:48 | 日記