どんぶり鉢

晴天の暖かい日中、父がこんなことを言った。

「庭の木がどうたらこうたらって、言ってなかったか?」

「え?そんなこと言ってないけど?」

「おかしいなぁ~」

私は南の窓越しに庭を見て、先日雑草を抜いたこと、それから今年は酢橘の木の実りが悪く、大きくならないうちに黄色くなってしまうことを最近になって父に話したよなぁと、その辺りのことが父の記憶に残っているのだろうかと考えてみた。


「また何か夢でも見てたんと違うん?」

「ほぉ~ どんぶり鉢の中でな、大勢の人が枝切りしようとしてるのを 俺が そこは危ないからどうの、そっちも危ないからどうのと、指示しとるんや」


「・・・・・・・・・・・そのどんぶり鉢、水色やなかったか?」


このジョークは父にも通じたらしく、最近は意思疎通の難しくなっている父が笑ったので、私は少し嬉しかったのです。



父が使っているどんぶり鉢は浅めで平たく、ゆるやかなカーブで広がっていて、安定感があるわりに重くありません。

そして、父はお粥さんを食べるときも、うどんを食べるときも、ラーメンを食べるときも、この淡い水色のどんぶり鉢を 使っているのです。

・・・・・。
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by hiruu | 2009-11-17 18:11 | 日記